「親と子」の概念を広げること 3

レバノンの神秘主義者、カーリ・ジブラーンの子ども観には心を打つものがあります。


彼は著書にこう記しています。


「あなた方の子どもはあなた方の子どもではありません。


子どもたちは生命そのものが切望した存在です。


子どもたちはあなた方を通して生まれたのであって、あなた方から生まれたのではありません。


そして、子どもはあなた方と一緒にいますが、あなた方のものではないのです。」


ブルック・メディスン・イーグルは著書のの中で、アメリカ先住民族スー族の"実に機能的ですばらしい伝統"についてこう述べています。


「ある人物に子どもがいない場合、すべての子どもがその人物の子どもになる。


これは、仲間集団、氏族のすべての子どもたちのみならず、地球上のすべての子どもたちをも意味し、これには母なる大地に住むあらゆる存在とモノが含まれている」。

「親と子」の概念を広げること 2

どこへでも楽に移動できる現代社会では、自分の親や親戚から遠く離れて暮らす人もたくさんいます。


・・・その場合、近所におばあちゃんや姉妹やおばさんやいとこたちが住んでいて、SOSの電話をかければすぐ駆けつけてくれるということはありません。


数世代前までは一つの世帯に暮らす大家族が協力し合って子どもを育てたものですが、それもなくなりました。


妙なことに、同じ町に住んでいながら、子どもがいないために、子どものいる家族の生活になんの役割も果していない孤立した男女やカップルもいます。


その人たちは、子どもに対してなんの責任も権利もないのです。


幸い、すべての人や社会が親と子の関係を、そんな制約をもうけて見ているわけではありません。


「親と子」の概念を広げること

一般的に、子ども、特に幼い子どもは実の親あるいは養父母の財産と見なされ、家庭という閉鎖的な輪から、子どものいない女性を完全に閉め出してしまいます。


多くの親は子どもを自分の所有物のように見なしがちです。


残念ながら、わが国の法律もそうした親の考え方を支持し、反映しています。


・・・だからこそ、子どもを肉体的、精神的に虐待することがこれほど長い間、黙認されてきたのです。


親は子どもを自分の思い通りに扱う権利を持っています。


子どもの権利が、たとえ親の権利と対立しても正当なものだと認められはじめたのは、ごく最近のことです。


こうした、子どもを"私物化"する親の態度から、外部の支えをまったく受けようとしない親と子だけのいまでは片親と子どもだけという場合も珍しくない孤立した家族が生まれます。

大企業の人間 4

「この4月で50になりましてね」


ゴールデンウィークの一日、旧部下のひとりが訪ねてきました。


商社時代、彼が入社したときに、私が彼の紹介者でした。


頭が良く、努力家ですが、先が見えすぎ、上司にたいしてもズケズケ言うので、煙たがられることが多く、まだ課長のままです。


「もう50歳かね」


和室の縁側に座布団をもちだし、満開のさつきを眺めました。


「まさに"もう50歳"という感じです」


「定年後に備える準備のラストチャンスだね」


人生50年とは昔の話で、現在は50歳からどうするかの時代です。


「たしかに定年後も2、30年、会社生活と同じくらいの人生を送らなければなりませんからね」


「そのためには、すくなくとも今から準備しなきゃ・・・」


「そこで、ご相談にきたんですが・・・」


後輩氏は会社を繰り上げ定年退職し、有害産業廃棄物の処理会社への転籍問題を持ちだしました。


「トップからの特命でしてね」


大企業の人間 3

私はまた迷ったすえ、第三者から相談を受けた形にして、遠廻しにP氏に忠告することにし、内容を物語風に仕立てて書き送りました。


そして最後は次のように結びました。


"第二の人生は、大会社ではやれなかったことをやりたい"


・・・それが再就職のスタートのような気がします。


もはや背伸びして生きる段階ではありません。


私自身、自分にできないことで生きようとは思いません。


無理する世渡りはもうこりごりです。


結果はどうでもいいのです。


いまさら出世でもないでしょうし、人の評価は気にする必要はありません。


要は自己満足できるかどうかです。


過去のしがらみや重荷を捨てて、身軽に残った人生を送ろうではないですか!

大企業の人間 2

私はだいぶ迷いましたが、P氏に電話して、先方の断わりの理由づけをしました。


「プラスチック会社の社長の話では、キミは常務としての実力は充分にあるが、会社の人事政策上いきなり常務というわけにはいかないので、残念ながら見送りたいといってきたよ」


これにたいしてP氏は"将来常務にしてくれるというのなら、初めは平部長でもけっこうですから"と低姿勢になりました。


しかし、私がさらに"それはあくまで可能性であって、約束や保証ではないから"ときめつけると・・・


"おなじ働くなら、ちょっとでも自分に納得いくポジションと待遇で働きたいですからね"と本音を吐きました。


「そうだね、残された人生は自分の思うところに従って、素直に生きることだね」


・・・と、私は逆説的な言い方をして、P氏との話を打ち切りました。


このぶんでいくと、P氏は長年大会社のサラリーマンとして沈澱させてきた思考パターンとパーンナリティからは当面脱しきれそうにありません。

大企業の人間

「大会社の人はぶりっこ人間が多く、また背伸び人生でもすみますが、そういう人にかぎって一旦落ちだすと落ちるのも早く、どんどん使い物にならなくなります。


Pさんもいまのうちに発心して自意識過剰を捨て、平気で恥をかけるようにならないと、立ち直れませんね」


社長はP氏に第二の人生では、見栄や外聞、バッタリや過去にたいするこだわりを捨てないと、自分自身が辛くなると匂わせましたが、P氏はその示唆に気づかなかったようです。


「余計なことかもしれませんが、せっかくの能力者ですから、あなたから注意でもしてあげられるんならと思いまして、いちおう出向いてきたしだいです」


「それはそれは、わざわざどうもありがとうございます。


そこまでP君のことを気にとめていただきまして・・・」


私は丁重にお礼をいいましたが、P氏のようなタイプは大企業には珍しくありません。


社長自身P氏にたいしては


"仕事上は充分取締役、否、常務としてもやっていける人物だが、会社としては人事管理上、いくら能力があっても新規採用者をいきなり常務に抜擢するわけにはいかない。


2、3年は平部長で辛抱してもらわなければならないが、P氏の心根では、仕事がうまくいけばいくほど、どんどん待遇にたいする不満が昂じ、社内外の誰彼に不平をぶちまけることになるだろう。


社内の皆が納得するまで昇進を待ち切れないにちがいない"


・・・という評価をしていました。


中ソ関係の行方 2

ソ連科学アカデミーのレフ・デリューシン博士は、自国と中国との関係についてゴルバチョフ政権の変化と絡めて、語りました。


「私が知るかぎりでは、ある時期中国は内部文書によってゴルバチョフを、社会主義陣営を守らなかったとして激しく非難していました。


しかし最近、中国は、ゴルバチョフに対する見解を変えようとしています。


つまり、いまやゴルバチョフ支持に回ろうとしているんです。


それはゴルバチョフが『社会主義の道を選択する。社会主義思想を堅持する』と言明したからです。


これは、現在、中国の指導部が掲げているプロパガンダと合致するわけです。


キューバや北朝鮮ではなく、ほかならぬ2つの大国の指導者がマルクス主義に対する忠誠を誓っていることになるわけです。


その意味で、いまゴルバチョフは中国の指導部にとって非常に良い同盟者になっています」。


・・・マサチューセッツ工科大学のルシアン教授も同様の見方をして


「中国の指導者たちはゴルバチョフの最近の変化を非常に好意的に見ていると思います。


というのも、彼らは最初ゴルバチョフがソ連に改革をもたらそうとしたとき、特にグラスノスチ(情報公開)を導入しようとしたとき非常に失望したからです。


また、彼らは東欧の非惨な事件もそのせいだと考えました。


東欧で共産主義が崩壊するのを目のあたりにし、ソ連が困難に陥るのを見たのです。


彼らには共産主義の最期が訪れたかとも思われたのです。


しかしいま中国は、ゴルバチョフが自分が間違いを犯したことに気づいたと思っているのでしょう。


そしてゴルバチョフが、自分たちに近づいてくると思っているかもしれません」。


・・・こう語っています。

中ソ関係の行方

国務省のウィッドマン中国課長は次のように述べていました。


「アメリカとしては最恵国待遇は、中国の門戸を世界に対して開放しておく手段と見ています。


アメリカ国民と中国国民とのパイプとなる大切なチャンネルなのです。


アメリカにとって中国は重要な市場です。


アメリカ製品の輸出先としては2パーセントくらいにしかならないのでしょうが、それでも重要なのです。


というのは中国への輸出品は航空機、コンピュータ、穀物などアメリカにとって主要な輸出品であり、中国は将来も大切な市場であり続けるからです。


このため中国との関係は絶対に必要なものであり、われわれは21世紀に向けて緊密な関係を維持していきたいと望んでいるのです」。


・・・1991年5月。


中国の江沢民総書記がモスクワを公式訪問しました。


中国共産党首脳のソ連訪問は1957年の毛沢東主席(当時)以来、34年ぶりのことです。


今回の訪問で中ソの軍事協力関係が深まり、ソ連から中国へ最新鋭戦闘機を含む軍事技術の供与が32年ぶりに検討されました。


ゴルバチョフ政権の保守化がささやかれていた当時、世界が注目していたのがこの中ソ間の軍事協力の行方です。

自己愛

『ヴィレッジ』を含め、確信犯的にビックリ箱路線を推し進めるシャマランの原動力は「自己愛」、その一語に尽きる。


褐色のビーン顔を自作にさらし続ける厚顔無恥さといい、ダメにもほどがある少年時代の作品をDVDの特典に収録し、「ぼくの物作りの原点がわかると思うヨ!」と笑顔でコメントできる図太さといい、どうしたらそこまで自分を好きになれるんだろう?と思うほどのアイラブミーっぷりが、シャマラン映画を底から支えているのです。


それが「ウケたい」「注目されたい」という欲求に繋がり、彼にあざといビックリ箱を作らせ続ける。


それだけでは単なるお調子者だが、確かに天才と呼べるだけの力量を持つシャマランは、卓越したカッティングとダイアローグのセンスをして、ある種の風格と様式美、観客によそ見を許さない緊張感を映画にもたらす。


また、作り込みの細かい監督にもかかわらず、俳優の力量に任せた芝居場作りにも長けていて、トップクラスの役者を切り回すのも実に巧みだ。


自己愛が自作への愛に昇華し、役者にも投影されて、最高の演技を引き出していると言うべきか。


自分も、ビデオカメラ レンタルして映画でも撮っちゃおうかな!


なんて^^;


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